0028.天満橋発
季節のうつろいが、ほんとうにじゃまくさく感じるときがある。寒くなって、暖かくなって、暑く、涼しく、また寒く。
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高校の3年間、天満橋の駅を出て上町台地へあがっていく坂をのぼった。そのころはまだ中之島へ行く線はなく、4本のうち2本の線路は天満橋で行き止まりだった。
ちょうどいい時間に天満橋を出る区間急行があり、それに間に合えばかならず座って帰ることができた。
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京橋の1番線に入るのに、あいだの2本の線路をまたぐため、ひときわ高い高架を通るのが楽しみだった。それは天満橋の行き止まりホームから出るのでないと、通らない線路だった。
北へ向かう車が高架を走り抜ける天満橋の交差点の南西に立って、OMMの横幅の広い姿をななめに見ている。
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この片口はちょっと小さいけど、萩焼でな。はじめは湯冷ましにでもつこたろかと思て買うたんやが、やっぱりちょっと小さいから、刺身のしょうゆ入れたり、わりに重宝してる。
だれやったか、大事にしてる湯飲みかなんかを割ってまう、それだけの小説があったな。あら、だれやったか。