0015.うちの子
７階建ての５階で西向きの部屋だ。
夜中の３時すぎ、ふと目がさめると外がさわがしい。窓を開けて下を見ると、廃品回収のトラックが、ノラ・ジョーンズを大きな音でかけながらゆっくりと走っていて、おれは夢をみているのかとおもった。
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うちの子は８歳です。
（うちの子というのは、この人の飼っている犬のことだ）
生まれつき心臓が悪くて二度ほど手術もしました。いっときは倉敷に通いましたよ。
（倉敷にいい犬の医者がいるらしい）
うちのは、運転ができないもので。今日は娘が休みなのでこうして出てきました。
（奥さんは運転ができない。「うちの子」になにかあったとき、すぐに医者へ運ぶために、家をあけるのが不安なのだ。夏はとくに気を使うらしい。この人はすこし田舎に住んでいる）
かれこれ２百万はつぎこみましたかね。動物なんて飼うもんじゃありませんよ。