0019.お彼岸

 彼岸なので四天王寺にいってきた。
 年中行事は習慣になると、行かないとなんとなくおちつかない。
 信仰心があるわけではない。
 毎月、決まった日には市が立つ。あとは彼岸だ。
 だいたい決まった出店が出ている。古道具や古着やたべものや酒を売っている。般若の面は、迷っているうちに売れてしまった。受刑者が作ったものを売っている店もある。必要以上に頑丈な家具などを売っている。
 彼岸はほんとうに人が多い。そして、そこへ来ることに迷いがない。そういうふうに見える。

 ほんでな、天王寺さんではなんも買いまへなんだ。お茶っ葉も梅ぼしもまだあるし。ほんでな、地下鉄のほうへ歩いていったらカナモン屋があってな、これ買うたんや。アルミの鍋や。ひとり鍋や。まことに肉が薄い。350円やった。

 

0018.マストロヤンニ 0020.S2