0017.バス停
ほんとうに重要なことなど、なにもないとおもう日がある。
そういう日は酒を飲む。そうでない日も飲むが、そういう日はしっかりと飲む。
小津の映画といえば、中村伸郎たちが酒を飲んでいる場面が好きだが、そういう映画は晩年のいくつかだけで、小津はきっかり60年だけ生きて、さっさと死んでしまった。
・
酉島でバス待ってたんや。ばあさんがひとりおった。
このへんはずーっと大阪ガスの敷地でな。室戸台風のときも風呂入れてもろたり、ようしてくれた。
そんな話をバスが来るまでしてた。バスが来たけど、ばあさんは乗らんかったな。